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4月 10th, 2013 Comments: 0

「素 描」 より

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第7回 2月16日掲載 「次代へつなぐ伝統文化」

 

子どもの頃、自宅近くの芝居小屋「常盤座」へよく遊びに行ったものです。お祭りの余興や巡回映画、チャンバラごっこと、遊ぶには一番の場所でした。地歌舞伎公演には大勢の人が集まり、にぎやかな雰囲気が子ども心に大好きでした。常盤座に行くと今もその場の空気や音に、小屋の中を走り回った記憶がよみがえります。常盤座のような小さな芝居小屋には都会の大きな劇場にはない温かさ、舞台と客席の一体感があり、エネルギーが満ちあふれています。中津川市内には明治座、常盤座、蛭子座と三つの芝居小屋が残っていますが、物が豊かではなかった時代に協力して建てた地元の人たちの情熱に、生活の活力を求めた心の豊かさを感じます。近年、社会情勢の変化により、こうした伝統芸能や祭りの継続が困難になっています。文化の伝承は容易ではありませんが、都会ではすでに失われたものを求めて地方に人が来る時代です。中津川市にも県外から多くの人が訪れています。これらの文化は地元のみならず日本の貴重な財産であり、次代に引き継ぐことは私たちの責務です。市に残る伝統文化は歌舞伎、文楽、祭りなどさまざまですが、保存会などが苦労しながらも後継者育成に取り組んでおられ、時には市外からの移住者が担い手として加わることもあります。最近では文楽や歌舞伎は海外でも公演を成功させるなど、伝統文化の魅力を広く発信しています。芝居小屋や祭りは人が集い、交流する場というだけではなく、心のふるさとである伝統文化を次代へとつなぐ中心となっているのです。

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